負のスパイラルを駆け下りていました

「今日もたぶん、遅くなると思う」

「ああ、分かってる」

いつもと同じ言葉を交わし、

改札を通り抜けようとした時、

突然、ものすごい動悸に襲われました。

ひとみさんは立っていることができず、

その場にしゃがみこみました。

動悸と同じリズムで、

頭もガンガンと痛み始めます。

ひとみさんは頭を抱え、

必死に夫にしがみついていました。

「ひとみ、どうした。大丈夫か!」

そばにいるはずの夫の声が、

どんどん遠のいていきます。

「壊れる。私の頭が壊れる~~~!」

そう叫びながら、ひとみさんは

頭の中に響き続ける声を聞き取っていました。

(もう嫌だ! もう無理!)

それは、魂の叫びでした。

そう、ひとみさんはずっと前から

頑張り続ける毎日に限界を感じていたのです。

こうしてひとみさんはウツになり

六年間、苦しめられてきました。

人から見れば、なんの異常もない健常者です。

夫にすら理解されない。

苦しくて、悔しくて、

薬もちゃんと飲んでいるのに

効いている気がしない。

このままでは自分はパンクしてしまう、

そう思った時、カッターナイフが目に入り……。

躊躇なく左腕を切りつけました。

「痛いっ」

ひとみさんはその痛みに

一種の快感を覚えました。

切りつければ切りつけるほど、

ひとみさんの内側からは、

説明のつかない〝強さ〟が

湧き上がってくる気がして、

心が軽くなってスッキリしたのです。

それから嫌なことがあると、

腕を切りつけるようになったのです。

負のスパイラルを駆け下りていました。

 

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